禅の言葉に『卒啄同時」』というのがありますが、聞いたことありますか?
卵の中のヒナ鳥が殻を破ってまさに生まれ出ようとする時、
卵の殻を内側からヒナ鳥がコツコツとつつくことを「卒」といい、ちょうどその時、親鳥が外から殻をコツコツとつつくのを「啄」といいます。
ヒナ鳥が内側からつつく「卒」と親鳥が外側からつつく「啄」とによって殻が破れて中からヒナ鳥が出てくるのです。
親鳥の啄が一瞬でもあやまると、中のヒナ鳥の命があぶない、早くてもいけない、遅くてもいけない、卒啄は同時でなくてはなりません。
このことを「卒啄同時」といいます。
僕がこの言葉を知ったのは50代後半のサラリーマン時代にトヨタの知り合いからトヨタウエイを教わったときにはじめて聞いた言葉でした
当時は教育の真髄を表していると思い研修や部下育成の時によく使っていました
しかし、いま改めて振り返ると言葉は伝えたけれど具体的にどんなタイミングで、
どのように使うかを考えてもらうようなことはしなかったなぁと反省しています。
それは僕自身がこのことを深く考えて実践していなかったから、言葉の紹介に終わっていたと思います。
ここで、今改めて、少し一緒に考えてみませんか
この言葉は上司部下、師匠と弟子、先生と生徒、親と子、コーチと選手、コンサルとクライアント、もちろん夫婦や同僚や友達同士でもいろいろ当てはまりますね
例えば、部下や子供が自分でやろうとしているのを待ちきれず
先回りしてついつい手助けしてしまう。
良くあることですが、ひょっとしたら部下や子供の自主性をつぶしているかもですね。
やはり、教える側として自戒すべきは、準備が整っていない相手に対し、
先に答えを教えてはいけないことだと思います。
つまり、学ぶことの最大の障害は答えを教えることで、自分で答えを見つける機会を奪ってはいけないということですね。
自分磨きをしながら、相手の気持ちにココロのアンテナを立て、絶妙なグッドタイミングで応えたいものですね。
それと、もう一つ大事なことは自分が自分に与えた影響以上に他人に影響を与えることはできないといいますから、まずは自分が支援できる人にふさわしくなることです
参画考ですが、アインシュタインの名言の中に次のような言葉があります
「私は、それほど賢くはありません。ただ、人より長く一つのことと付き合ってきただけなのです」
「正規の教育を受けて好奇心を失わない子供がいたら、それは奇跡だ」
アルベルト・アインシュタイン (Albert Einstein)
今は学校教育も変革の真っ最中ですが、まだまだ、時間がかかりそうです
だから、気づいた人から、少しづつ間違いながらでも実践することですね
我々NPOでやっているワークショップでは少なからずこのようなことも含めて一緒に学べる機会を提供していますので、ぜひご参加ください。
2024.9.29 by M.Tamura