何をもって「幸せ」というかは、人それぞれただし、同じ人でも年齢や環境によって、何が幸せかは変わります。
私たちNPOは「幸せ」をテーマに活動しているので、そのことについて考えてみようとした時、ふと、以前読んだ鍵山秀三郎さんの『あとからくる君たちに伝えたいこと』に書かれていた「人生をよくする三つの幸せ」を思い出しました。この考え方について触れてみたいと思います。
この三つの幸せは、イエローハット創業者の鍵山秀三郎さんが、宗教法人GLAの高橋佳子さんの言葉を引用して、中学校で行った講演から生まれたものです。
まず、一番目は「してもらう」幸せ
赤ちゃんがお乳やミルクをもらったり、抱っこをしてもらったり、オムツを取り換えてもらったりすると、泣いていた赤ちゃんがうれしくて泣き止む
人は赤ん坊の時から、何かを「してもらう」と嬉しい。
二番目は「できるようになる」幸せ
箸で食べられるようになる。自転車に乗れるようになる。鉄棒ができるようになる。跳び箱を跳べるようになる。など、今までできなかったことが「できるようになる」幸せがある。
三番目は「してあげる」幸せ
この三番目が一番大事で、お父さんお母さんに何かをやってあげる。友達に何かしてあげる。そうするとお父さんやお母さんが喜ぶ。友達が喜ぶ。人が喜んだ姿、喜んだ顔を見たときに、自分が幸せになる。
この三番目の幸せを感じると、どんどん人生が良くなっていく、どうしてかというと、この幸せができる人の周りには、非常にいい人が集まってきて、そのいい人と人生を過ごすことができるようになるからだという
(出典:鍵山秀三郎『あとからくる君たちへ伝えたいこと』講演内容を要約)
これを読んで、「なるほど」と思いました。普段は当たり前に感じていることでも、改めて考えてみると大切なことに気づかされます。
私自身、4人の孫がいるので、特に1歳と4歳の孫を見ていると1番目と2番目の「してもらう」「できるようになる」幸せをよく実感できます
たとえば、4歳の孫はゲームやYouTube等の遊びに夢中になりがちで、なかなか食事の席に着こうとしないことがあります。
親がつい怒ってしまう場面ですが、子どもの幸せ(成長)を大切に守りながら、親の期待にも応えてもらおうと思うと、今までと違う接し方やかかわり方に工夫が必要になります。
これをどう解決するかは最後は自分で考るしかありませんが、選択理論を学んでみたりすると良いヒントが得られるかもしれません。
そして、三番目の「してあげる」幸せは、私たち祖父母にも感じさせてくれます。
孫たちは、誕生日に必ず手紙に絵や折り紙など添えて送ってくれます。
今年の敬老の日には4歳の孫が書いた絵がプリントされたソックスをくれました。
正月に、孫たちが帰ってきたときには、何か幸せ返しをして、孫への感謝を伝えたいと思っています。
さて、皆さんは「幸せ」の語源をご存じですか?
中島みゆきの「糸」では「仕合せ」という漢字が使われています。
この「仕合せ」をさらに遡ると、「為し合わす」という言葉に行き着きます。
「為す」とは動詞「する」で、何か2つの動作などを「合わせる」こと、それが「しあわせ」だという意味です。
元々は動詞であったことから、「しあわせ」とは状態ではなく「しあわせる」という行動そのものだったことがうかがえます。
このことを体験できる簡単な例として
仲間と神社に行って、二人一組になって相手の幸せを祈って、お守りをプレゼントしあう
他にもクリスマスなどに行う仲間通しのプレゼント交換なども言えるかと思います
相手のことを思って、プレゼントをしあうだけで、幸せになる
だから、しあわせの語源はお互いが喜んで為し合うこと、そんな風にお互いに為し合えばこの地球も幸せにできるかもですね
結局、自分の幸せは自分で作りながら、「してあげる幸せ」に挑戦して、お互いに幸せを交換し合い、未来に向かって持続する幸せを手に入れることができたら、素晴らしい
2024.11.30 by M.Tamura