選択理論心理学の実践で組織運営(クオリティ・カンパニー)の 興味深いメモを発見!
それは2010年に開催された、年に一度の選択理論心理学会の年次大会に関するもので、 その年のテーマは「選択理論と教育」 、とても興味深いものでした。
なぜなら、学校も企業も、「結果を出すこと」や「成長すること」が期待される組織であるが、必ずしもそのことに積極的に、あるいは意欲を持って取り組んでいる人ばかりではなく、「やらされている」と感じるている人も少なくないからです。
そして指導者やマネジャーは何とか意欲を持ってやってもらいたいと心砕き、時には強制や恐れを使うことも多くある。またそのやり方自体が仕組みとして入っている組織もある。
私は、選択理論心理学の実践で運営されるクオリティ・スクールの取り組みは、大いに企業に活用できると思っている。
現実療法(選択理論心理学を用いたカウンセリング)の提唱者ウィリアム・グラッサー博士が1990年に「クオリティ・スクール」を著し、その影響で、世界初のクオリティ・スクールが米ミシガン州で誕生した。
全米教員組合(NEA)から「全米一の最優秀校」」として紹介された。
通常は「優秀校」の一つと表現されるところ、「全米一の最優秀校」と表現されたことからも、画期的な学校が誕生したということがうかがえる。
日本で、平成22年に県立普通科高校として初めて、昼間から半日単位で学ぶことができる定時制高校が開校した。
この学校では、選択理論心理学の実践で運営されるクオリティ・スクールを目指す取り組みをスタートさせた。
取り組みが始まったばかりの伊藤校長(当時)の基調講演は、教師として明確な指針に出会った喜びにあふれると同時に、非常に大きな決意を持って取り組まれていることを感じさせるものであった。
伊藤校長は、 多くの生徒が「居場所」を見つけられずにいる。
「居場所」とはもちろん単なる「場所」の話ではない。
学校でも、家庭でも、満足できる関わりが持てず、周囲に受け入れられていると感じられず、自己否定感の負のスパイラルに陥っている。
重要なことは生徒が周囲に「受け入れられている」と感じられる、よりよい人間関係ができることだと話された。
パネル発表の中に、「先生がちゃんと話を聴いてくれる。だから、今までの自分を変えて頑張ろうって思える学校だ」とあった。すでに結果が出始めている。
一緒に参加された先生は、「正直、初めは学ばされたという感じでしたが、今は学んでよかった」とおっしゃり、
別の先生は懇親会の中で、「学んでみて、生徒が救えると思った、そして今は溺れそうになる自分が救えると思った」
「毎日が一話完結のドラマのようだ。教師としてここにこれてよかった」と…、
まさにドラマのヒロインさながら、「仕事が楽しくて仕方がない」という様子でした。
企業の中で、こんな風に仕事のことを楽しく話せる人を、もっともっと増やせたら、きっと世の中はもっと活気づくに違いない
そして、選択理論心理学が教育だけでなく、企業や社会全体により良い変化をもたらすと改めて確信し、選択理論の普及の一役を担うことを強く心に刻むことができた出来事でした