(24.8.1のブログの続々編です)
今年は例年より春の訪れが遅いですね。春分の日を前に、単身赴任中の夫が雪の写真を送ってきました。でも、来週にはようやく春らしくなるようです。
そこで、奈良での山歩きを計画中です。
今年95歳と90歳になる両親は、ありがたいことに健在です。
そのため、公的なショートステイサービスを利用してもらい、久しぶりに外出することにしました。こうした福祉サービスの存在は本当に心強いものです。
父の病状と家族の対応
両親の体調や介護の状況は、日々変化しています。先週、父の容態が急に悪化し、妹と私は慌てました。訪問医と相談し、かかりつけの開業医に連れて行くことになりました。
同居している妹は、夜中に父に起こされることも多く、体力の限界に近づいていました。私は隣の家に住んでいるのでできる限りのことをしていますが、それでも妹には感謝しかありません。元看護師の妹は、こういう時本当に頼もしく感じます。
開業医の診察の結果、精密検査を勧められ、予約まで取りました。
しかし、父は以前から「これ以上の治療は望まない。痛みだけ抑えてくれればいい」と書き残していたので、その意志を尊重し、家族の負担も考えて、訪問医による在宅治療にすることにしました。
医師の指示に従って精密検査や通院治療を続けることも選択肢の一つでしたが、それでは家族のほうが先に倒れてしまうかもしれません。
実は昨年、かかりつけ医から白血病の可能性を指摘されており、父自身も覚悟を決めていたと思います。
それでも、今回も父の回復力は驚くべきものでした。手のひらまで紫色に内出血しているにもかかわらず、トンカチを握り、母と自分が少しでも快適に過ごせるようにと、手すりを作っていました。私は止めることもせず、一緒に手伝いました。
その時、「父はこんなにも器用な手先で私たちを育ててくれたんだなぁ」と、改めて感謝の気持ちが湧きました。
介護をしている多くの人が葛藤を抱えていると思うのですが、「もっと先進医療を受けさせたほうがいいのでは?」と悩むこともありました。
でも、完治する見込みがない以上、痛みを和らげ、穏やかな時間を過ごしてもらうことのほうが大切だと考え直しました。高齢者にとって、通院や病院での長い待ち時間はそれだけで大きな負担になるからです。
母の認知症と夫婦の関係
母のレビー小体型認知症も、少しずつ進行しています。幻視や幻聴の影響で、本人も周囲も振り回され、大変な時期もありましが、最近は少し落ち着いています。
周りが、母が認知症であることを認めるまでに葛藤があり、認識し、理解し、日々変わる症状にこちらが慣れていく、その繰り返しの日々です。
前回も書きましたが、母が父を激しく責め、それに父が反応して言い争いになる時期がありました。そのとき、「老後における夫婦の関係のあり方はとても大切だ」と痛感しました。
我が家の両親は、残念なことに、決して仲の良い夫婦とは言えませんでした。そのため、あの言い争いが母の認知症の進行を早めてしまったのではないかと素人ながら感じています。
しかし、夫婦というものは不思議なもので、今では少しも離れられないようです。ときどき文句を言いながらも、どこかで支え合っているのだと思います。
自分たち夫婦の未来を考える
我が家も長年の単身赴任生活を経て、いずれは夫が退職し、一緒に暮らすことになります。そのときに向けて、夫婦関係を良くしておくに越したことはありません。
そう考えると、これまでの不満が思い出され、「ああして欲しい、こうして欲しかった!」という気持ちも出てきます。でも、焦りは禁物ですね。それに、「伝えなければ相手には伝わらない」ということも痛感しました。
「言わなくても分かってくれるはず」というのは、お互いの勝手な思い込みです。もちろん、言い方には気をつけるべきですが、多少波風が立っても構わないのではないでしょうか。
昨年の秋ごろ、「自分の気持ちを冷静に伝えよう」と決意しました。しかし、電話では冷静に話すのが難しく、結局、夫を怒らせてしまいました。
だけど、その結果に私は驚かされました。
「私だけが怒っている、私だけが我慢している」と思い込んでいたのですが、夫も同じだったからです。
改めて老後も夫婦仲良く幸せに生きると決意
それでも、お互いに「離婚はしたくない」という思いは共通していました。
1ヶ月ほど経つと、夫は私の言いたかったことを理解し、しっかり対応しようと努力してくれるようになりました。もちろん、私も夫の気持ちを受け止め、歩み寄るようにしています。
夫婦の関係をより良くしていくことは、これからの老後をどう生きたいかにつながるとても重要なことです。
お互いに思い違いはあって当然ですが、相手を自分の価値基準で判断するのはやめようと思います。
お互いの気持ちを伝え合うことから始めてみます。波風が立つことがあったとしても、やって見る価値がきっとあると信じています。
2025.3.20 by R.Iwase