「幸せになりたいですか?」そう尋ねると、ほとんどの人が「はい」と答えるでしょう。「いや、もう幸せすぎるから、ちょっと不幸になってみたい」なんて言う人は、まずいませんよね。
では、同じ人にこう問いかけたらどうでしょうか?「では、今、あなたは幸せですか?」
この問いには、「うーん…まぁまぁかな」「あまりそう思えない」と答える人が、案外多いのではないでしょうか。あなたは、どうですか?
このギャップの背景には、「幸せとは何か」がはっきりしないまま、私たちががむしゃらに走り続けてきた現実があるのかもしれません。
私たちは「こうすれば幸せになれる」と教えられ、信じてきました。たとえば、次のようなことです。
· 一流の学校に入り、一流企業に就職すること
· 家族や会社のために一生懸命に頑張ること
· お金持ちになることや、夢を叶えること
けれど、それらを実現した人が皆、心から幸せを感じているかというと、そうではないのが現実です。それは、幸せの本質が、目に見えるものや成果だけでは測れないからかもしれません。
2025年の「世界幸福度ランキング」で、日本は55位でした。主要先進国の中では、中国を除いて最下位という結果です。一方、日本は世界第5位の経済大国あり、治安も良く、医療も手厚く、義務教育も整っています。
にもかかわらず、「幸せ」と感じる人が少ない。
これは、私たちが信じてきた「幸せになる方法」が、実は心を満たすものではなかった、というサインなのかもしれません。
幸福度の高い国、たとえばフィンランドやデンマークには、こんな共通点があります。
· 誰かに頼れるという安心感
· 自分で人生を選んでいるという実感
· 支え合う社会の仕組み
一方、日本ではこれらの要素が弱いと言われており、それが幸福度の低さにつながっている可能性も指摘されています。
もちろん、社会制度や国のあり方も大きく関係していますが、同時に私たち一人ひとりにも、できることがあるはずです。
たとえば、今そっと胸に手を当ててみてください。生まれてから一度も休まず動いてくれている心臓。命を支えてくれている臓器たち。自由に動かせる手足、五感。
どれも、あまりにも当たり前すぎて、普段意識することはありません。
でも、もしどこかに不調が出たらどうでしょう?その瞬間、私たちは気づきます。
「あの普通の日々が、実はとても幸せだったんだ」と。
さっき食べたごはんを思い返してみてください。誰かが育て、誰かが運び、お店に並び、私たちはそれを買って、料理をして食卓に並べる。
その裏には、たくさんの人の手間や想い、自然の恵み、そして動物や植物の大切な「いのち」があります。ほんの少し想いを巡らせるだけで、心の奥にふわっと感謝が広がっていくのを感じませんか?
雨の日や、暑すぎる日も同じです。「いやだな」と思うか、「これも自然の恵み」と受け取るかで、私たちが見る世界はまるで違って感じられます。
「今、幸せになりたい」と願うなら、ちょっとだけ、ものの見方を変えてみませんか?
· 日常の中にある「ありがたさ」に目を向けてみる。
· 「ありがとう」と心の中でつぶやいてみる。
· 「おかげさま」と言葉にしてみる。
それだけで、不思議と世界がやわらかく変わって見えるはずです。
幸せは、誰かに与えられるものではなく、“心が気づき、感じるもの”なのかもしれません。今、あなたの中には「幸せの種」と「不幸の種」の両方があります。どちらを育てるかを選べるとしたら――あなたは、どちらを選びますか?
今日は七夕。織姫と彦星は、どんな想いでこの日を迎えているのでしょうか。一年間で心変わりをしてしまったのでは…と不安に思いながら?それとも、再会を楽しみにしながら、ワクワクと胸を弾ませて今日の日を待ち続けていたのでしょうか。
あなたなら、どちらの気持ちで今日を迎えたいですか?
2025.07.07 By M.Tamura

