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『上質世界に素直になる』

 てっちゃん

『六角精児の飲み鉄本線・日本旅』というNHK・BSで不定期に放送される番組がある。

俳優の六角精児さんが、地方のローカル線に乗って旅をして、列車内、駅、地元の居酒屋や酒蔵、大自然の中で「とりあえず1杯」と酒を飲むというもの。

その緩さ、六角さんの楽しげな様子が好ましくて再放送まで見てしまう。


鉄道写真を撮りまくっている(いわゆる「撮り鉄」)大学時代の先輩がいる。高校教師を引退して「やっとこの時が来た!!」とばかりに、カメラとレンズを買い替え、JR西日本の撮り鉄サイトに毎日写真5枚以上を投稿するというノルマを自分に課してイキイキと撮りまくっている。


先輩が教師を引退して少したったころ、私のスマホが鳴った。

「自分なあ、まだ仕事、行ってるやろ。自分の職場の近くにJR貨物の〇〇機関区があると思うんやけど・・・」

「ああ、ありますね。なにか・・・」

「すまんけどなあ、毎朝の通勤時にその横を通って、どんな機関車が止まっているか、LINEで知らせてくれへんか?頼むな!」

「・・・・・」

ガチャと一方的に切れた・・・仕方がない、別に遠回りになるわけでもないし。


特別鉄道に関心の無い私の、出勤時に機関区の横を通り、機関車を見て、あれは何という機関車だ?と調べて、先輩にLINEを送る日々が始まった。

EF66の100番台、EF210、EF510、DD200・・・だんだん見ただけで分かるようになってきた。


あるとき先輩から、

「ニーナが関西に来るという情報が入った!!関西に来たら必ずその機関区に来るから、いたらすぐ連絡頼むな!」

「ニーナってなに?」

「ニーナっていうのは、EF6627という機関車。EF66の1番台で現役はその1台だけ。もう少しで廃車になる機関車や。頼むな!!」

仕方がない、昼の休憩時も見に行くことに・・・


そしてある日の昼巡回時、見つけた!!「すぐ行く!!」と先輩。なにしろ近隣の人間からの速報。他の撮り鉄が来る前の情報で大喜び。だけど撮影している姿を見て、全く他人のフリをした・・・知り合いと思われたくない・・・。


別の時には「銀釜(EF81303)」「カラシ(EF652127)」も発見!!

すぐに連絡。

ある時、JRで西に向かいながらすれ違う列車を見て、「ああ210だなあ」「おや、66の100番台が貨車を引いてる。どんどん210に置き換わっているのに貴重だなあ」「この車窓からの景色(淡路島と海)を背景に機関車を撮ったらきれいだろうなあ」などとぶつぶつ言っていたようで、横にいた妻が「あんた、いつから鉄チャンになったんや?知らんかったわあ」と・・・


おかしい!!自分では意識していないのに上質世界に機関車が入ったのか。

あの先輩とは絶対違う!!自分は断じて鉄チャンではない!!

なのにこの頃、NHK・BSでの放映を探している。そういえば『中井誠也の絶景!鉄旅』という番組も楽しみだなあ。


自分の本当の心、上質世界に素直になれ!という声がどこからか聞こえる。

が、やっぱり素直になりたくない!!「絶対にいやだ~!!」


2025.9.12 By H.taniguchi



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