先日、私の友達から一冊の本をいただきました。
幼い少女が治らない病気になり、病気と闘いながら、
一生懸命生き抜く姿を丁寧に書かれた
ノンフィクションのお話しでした。
未来を信じて「今」を全力で生きている
幼い子どもの逞しさと力強さを感じ、
生きてほしいと読んでいる私も祈りが高まりました。
また、ご両親の子どもを愛するがゆえの
おつらい思いもひしひしと伝わってきて、
深く心を打たれ、涙なしには読めない本でした。
この本を通じて、「いのち」を考えるきっかけをいただきました。
人は、自分も他人もいつ亡くなるかはわからないで生きています。
わからないから、平穏に生きていられるのだと思います。
短い命、長い命、いずれも命の時間をどう使うか、
命の在り方、生き方、寄り添い方をあらためて、考え始めました。
思い出したのは、懐かしい今は亡き実父との時間、
そして一年前に亡くなった義父との時間です。
一緒に過ごした何気ない時間がいずれも今は私の宝となりました。
そんなことを考えていたことを忘れかけた一か月ほどたった今月、
実母の具合が急に悪くなりました。
あちこちの病院を渡り、ようやく原因がわかりました。
大きな腫瘍がお腹にできて、その影響で左足がパンパンに腫れて
歩くのも困難な状況となりました。
まさか、と思いましたが、簡単には治らない病気であることがわかってきました。
今週から入院し、治療を行う予定です。
あのときに読んだ本の中の登場人物になったように、
わが身につまされる思いで深刻さが増してきました。
自分に問いかけています。今をどのように生きるか。
何よりも今、母がいてくれること、話ができること、
あたたかい肌に触れられること、美味しいものを一緒に食べられること、
今まで当たり前だったことは、本当は当たり前ではなく、
素晴らしいことなのだと思います。
そばで支えてくれる人の有難さ、大切さ、
かけがえのない存在であることを知るために
「いのち」が永遠ではないことを教えてくれているように思いました。
あの本で読んだ幼い子どもが、
命が亡くなる最後で希望を持って、
努力を重ねて生き抜いたその宝石のような美しい心を思い出しています。
この本から実体験に基づき大切なことを学ばせていただき、
母の事も少し冷静に客観視できています。
いたずらに過去を思い煩い、未来を心配するよりも、
「今」という素晴らしい一瞬、一瞬を笑顔とともに、
楽しく生きていくことを大切にしたく思います。
2024.8.31 M.I